2012年6月23日(土)、地域住民を対象として里山の楽しみ方を学ぶ、野山を楽しむ自然塾を開催しました。今回は「トレイルの魅力と歩き方の基礎を学ぶ」といったテーマで、安藤百福センタートレイルの「御牧ヶ原コース」を20名の参加者と一緒に歩きました。
掛川 剛 氏(御牧ヶ原自然案内人) |
小林 政明(安藤百福センター職員) |
序盤は室内で座学を行ないました。講師の掛川剛氏からは、これから歩く御牧ヶ原台地の概要を解説し、同じく講師の小林政明からは装備や天気のことなど技術的な説明をしました。
歴史をイメージするのも古道散策の楽しみ方の一つ |
トレイルとは「既存の道を利用した散策路」のこと。センターでは1年以上前からトレイルの開通に力を入れており、昨年11月にようやく開通、さらにはトレイルマップも完成しました。
オリジナルマップで現在地確認 |
吹き抜ける風が心地よい |
さて、火山の噴火活動によってせき止められた湖が部分的に隆起したところが御牧ヶ原台地。日本有数の少雨地帯で、崖上には水がなく、昔は人が暮らすには厳しい環境だったようです。しかし、水を他の場所から引き、さらに溜池も有効活用することによって水不足が解消。今では地形・地質・気象条件といった自然と人間生活がうまく調和した景観となっています。そういった歴史物語を感じながら歩くのが、このコースの魅力だと地元で生活している掛川氏は語ってくれました。
苦労して作った溜池を飾る水連(スイレン)の花 |
石碑に刻まれた「ありがたきかな此の水」 |
梅雨時期でしたが天気と景観に恵まれ、きれいな田園風景を眺めるだけでなく、浅間連峰、八ヶ岳連峰、北アルプス、美ヶ原高原を全て見渡すことができました。
梅雨の中休みに感謝 |
普段食べないお菓子も野外では格別の味 |
安藤百福センタートレイルを使った講座は今回が初めて。参加された方からは「コースを歩くだけでなく、所々で山菜採りや野鳥観察などの体験も取り入れたらどうか」というトレイルの活用方法についてのご意見もいただくことができました。
次の見所はどこだ? |
地元の方々が挑戦するビオトープ |
なお、今年中に案内板を設置する予定なので、個人でも歩くことができるようになります。事務局としては今日のトレイル歩き初めを通して、トレイルの活用は里山の楽しみ方の一つとして地域のみなさまにも十分に楽しんでいただける手段だと手ごたえを感じています。