秋の登山入門 〜紅葉の黒斑山〜
開催日:2011.10.01~10.01
第6回 自然体験入門講座
秋の登山入門 〜紅葉の黒斑山〜
対象者
一般
イベント

 2011年10月1日(土) 登山入門講座として標高2404Mの黒斑山に登る、第6回自然体験入門講座を開催しました。
 黒斑山は1973mの車坂峠から高低差約400Mの登山コースで、初心者でも楽しめる山です。黒斑山の山頂から眺める浅間山の風景は素晴しく、魅力の一つでもあります。
 当日は、20代から70代まで幅広い年齢層の方々にご参加頂き、初心者からベテランの方、中には山ガールの姿も見られました。


当日行程 (行き/表コース、帰り/中コース)
08:45
高峰高原ビジターセンター集合
09:00~09:05
挨拶、講師紹介、オリエンテーション
09:05~09:20
準備体操、移動
09:20~
登山開始
09:40~09:45
車坂山到着、休憩
10:15~10:25
ガレ場到着、休憩
10:45
広場到着
11:05
槍ケ鞘到着
11:40~11:50
トーミの頭到着、休憩
12:20
黒斑山山頂到着
12:20~13:00
昼食
13:00~13:20
地形図の読み方解説
13:20~
下山
13:45~14:00
小広場到着、休憩
14:25~14:35
ガレ場到着、休憩
15:00
高峰高原ビジターセンター到着
15:10~15:20
人数確認、アンケート記入、解散

 


講師 山口章 氏
 

講師 小林政明 氏
 

 高峰高原ビジターセンターの駐車場で、事務局長の山田俊行が、開催の挨拶と講師の紹介を行いました。その後、山口講師の指導で、参加者の方々はストレッチ体操を行いました。ストレッチ体操のポイントは、体が痛みを感じる前に止めることです。ストレッチは安全登山の第一歩です。


いい始まりになりそう!
 

 黒斑山登山口看板の前で、山口講師は火山と普通の山の違いについて参加者に質問しました。参加者の一人は「溶岩です」と答えました。山口講師は火山は溶岩でできていると説明しました。コーラを例にとり、火山噴火や溶岩形成の原因を面白く説明、コーラには圧力のかかった炭酸ガスがたくさん入っています。蓋を開けると内部の圧力が下がり炭酸ガスの泡が激しく瓶の外に出て来ます。これと同じように溶岩の元であるマグマは、地下深い岩石が融けて出来ています。ここでは大きな圧力がかかり、火山ガスが融けこんでいます。それが噴火し、地表や地表近くまで上昇してくると、内部の圧力が下がり、ガスがあわとなって出ていくのです。地表や地表近くまで上昇した溶岩の表面は冷えやすく、ガスを含んだまま固まることがあります。この場合、溶岩の内部は気泡を持ったままになります。これが軽石となります。表面はボツボツしていて、穴がたくさん残っているのが気泡を含んだ溶岩。表面に穴がないのは、冷えて固まる前に、ガスが出てしまったからです。


火山ガスが抜けている
 

火山ガスを含んでいる
 

赤い登山道(酸化した石)
 

 浅間・烏帽子火山群の歴史も説明。黒斑山は火山群の中では、比較的新しい火山で、約2万5千年前まで活動が活発でした。最盛期の高さは2800?2900mと予想されています。浅間山は一番若い火山であり、大体1万5千年前から活発して、有名なのは天明3年(1783年)に起きた大規模噴火です。つい最近の2009年には小規模噴火が起こりました。現在は、気象庁や東京大学地震研究所によって24時間観測されています。


所々紅葉が始まっている中を歩く
 

 ゴゼンタチバナは、葉が5枚以上にならないと花が咲かないのが特徴です。葉は輪生の様に見えますが対生です(従って5枚になることは少ない)。花期は6?8月で、4枚の白い総苞に囲まれた花が咲きます。秋は小さな赤い実をつけます。
 クロマメノキの実は最初が青色で、熟状態によって段々濃紫色になります。


ゴゼンタチバナの花(参考資料)
 

ゴゼンタチバナの実
 

クロマメノキ
 

 ハクサンシャクナゲは芽を見ると来年に花が咲くか葉っぱになるが分かります。花になる芽はやや丸く大きく、葉っぱになる芽の先端は尖っていて、芽もやや小さいです。他に合わせて数十種類の植物を解説しました。


ハクサンシャクナゲ
 


成層火山
 この写真はトーミの頭から撮りました。黒斑成層火山が良く見える場所です。一番手前は黒斑山、遠く白く見えるのは仙人岳です。成層火山は数回の噴火によって形成されました。噴火の繰り返しによる、周りの溶岩、火砕流火山砕屑物等の積み重なり、層を形成しています。黒く見える部分は溶岩、白く見える部分は溶岩の破片だそうです。



コマクサの群生地、来年も楽しみですね!!
 

ロウソク岩と浅間山
 


植物の宝庫??
 この手前の小さな場所だけで十数種類の植物があります。天然カラマツ、ダケカンバ、クロマメノキ、コケモモ、ガンコウラン、シラタマノキ、ミツバオウレン、イワカガミ、ナナカマド、ツガザクラ、コキンレイカ。他にもあります。3平方メートルの場所でこんなに多くの植物が生きていることに参加の皆さんは驚き、生命力の強さを感じていました。

 見渡す限り晴れた空。所々で綺麗な遠くの風景をたくさん眺めることができました。八ヶ岳連峰、浅間山、小諸、佐久、軽井沢、群馬県までもはっきり見ることができました。山頂では雄大な浅間山を眺めながら食事をしました。山口講師から、雲の特徴についての話もありました。



黒斑山山頂
 

食事中
 

うろこ雲(高さ6000?7000メートル)
 

スジ雲(空の最も高いところです)
 

 食後、コンパスを使った地形図の読み方を説明しました。 1:25000と1:50000の地形図を使い分けながら方向、位置の確認方法、地図の測り方、地図上の距離と実際の距離の計算方法など、基本の地形図の読み方を学びました。昔は1:50000の地図は日本の基本図として使われていました。現在では、1:25000が基本図として使用されています。


北はどっち? こっちだ!
 

地形図に集中
 

最後の集合写真です!
 
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