開催日:2015.01.13~01.15
自然学校新入職員研修会《東京会場》
対象者
自然学校(または類する団体)の1~2年目職員・実習生
全国の自然学校に所属する新入職員を対象とした合同研修会を開催した。社会人として必要とされるコミュニケーションスキル(特に、伝える技術)の習得および、自然体験教育に携わる者としての基礎教養を身に付けることに重点を置いた内容を用意した。
■研修内容概要
1.自然学校原論 | 日本における自然学校が、どのような経緯で今に至り、現状はどうなっているのか、その歩みと特徴を理解する |
2.環境教育論 | 持続可能な社会をめざした環境教育/ESDの現状を知り、今後の課題について考える |
3.野外教育などの各種概論【事前学習】 | 自然学校職員として知っておくべき各種概論を学び、基礎的な教養を身に付ける |
4.伝える技術(1)文章の書き方 | 書類作成が好きになるコツを学び、業務力向上につなげる |
5.伝える技術(2)インタープリテーション | インタープリテーションの基本的な考え方を学び、実習ではフィードバックを受けて自己の伝える技術向上につなげる |
6.伝える技術(3)KP法 | KP(紙芝居プレゼンテーション)法の基本的な考え方を学び、思いや考えを整理したプレゼンテーション実習を行う |
日程: | 2015年1月13日(火)~15日(木) |
対象: | 自然学校(または類する団体)の1 ~ 2 年目職員(実習生含む)で、概ね20 ~ 30 代の方。 また、半年以上の現場経験を積んでいること。 |
参加者数: | 23名(男性13名、女性10名) |
会場: | 国立オリンピック記念青少年総合センター |
講師: | 伝える技術(1) 文章の書き方: 赤羽 博之 氏(書きものナビゲーター、耕文舎代表社員) 伝える技術(2) インタープリテーション: 山田 俊行 氏(トヨタ白川郷自然學校校長補佐・事務局長) 辻 英之 氏(NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター代表理事) 田中 啓介 氏(ホールアース自然学校執行役員) 砂山 真一 氏(一般財団法人ポジティブアースネイチャーズスクール代表理事) 伝える技術(3) KP法: 川嶋 直 氏(公益社団法人日本環境教育フォーラム理事長) 講義(1)環境教育論: 阿部 治 氏(立教大学教授、日本環境教育学会会長) 講義(2)自然学校原論: 岡島 成行 氏(安藤百福センターセンター長、青森山田学園理事長) |
終了後、安藤百福センターより修了証を授与
■1日目の様子
研修会開始 全体進行はNPO法人自然体験教育センター代表理事の辻英之氏。 初対面同士の固い雰囲気をほぐしながら、3日間の研修会がスタートした。 |
|
自己紹介プレゼンテーション 1分間で自分の行っている活動を参加者に紹介した。各地から様々なバックグラウンドを持つ参加者が集まっていることを実感した。 |
|
文章の書き方 書きものナビゲーターの赤羽博之氏に、伝わる文章の書き方について講演いただいた。事前課題の作文を一つ一つ解説し、ポイントを共有した。 後半は、参加者の文章を書画カメラで投影。臨場感あふれる”添削ライブ”が行われた。 |
|
環境教育論 日本環境教育学会の阿部治氏に、環境教育のルーツから、現在のESDの概念にいたるまでの経緯や、これからの日本が抱える課題について講演いただいた。なぜ環境教育が必要なのか、再確認する機会となった。 |
■2日目の様子
インタープリテーション トヨタ白川郷自然學校校長補佐の山田俊行氏から、インタープリテーションの基礎的な理論と手法を学んだ。 身近な物を使って、素材にまつわる物語を創作した。 |
|
途中、猟師に扮して登場した特別ゲスト。素材(ゲスト自身)の物語を創作するために、参加者からゲストの仕事や生活について、質問が飛び交った。 |
|
インタープリテーションに挑戦 グループごとにテーマが与えられ、伝えるための物語を作り、発表を行った。小手先のインタープリテーションで終わらないためには何が重要なのか、根本の部分を学んだ。 |
|
自然学校原論 安藤百福センターセンター長の岡島成行氏から、人と自然との関係や、自然学校に期待されていることについての講演があった。これからの生き方を考える機会となった。 |
■3日目の様子
KP法 日本環境教育フォーラム理事長の川嶋直氏に、まずはKP(紙芝居プレゼンテーション)とはどんなものかを実演していただいた。 |
|
KPを作る 各自でテーマを設定し、伝えたいことをKPでまとめて、プレゼンテーションする練習を行った。 |
|
最後はグループ発表。言葉の選び方、マーカーの使い方、イラスト、KPの順番など、それぞれ伝えるための工夫が見られ、共有することができた。 |
|
筆記試験 研修会で学んだことを再確認した。合格者は、安藤百福センターが自然学校指導者(インストラクター)として認定する。 |
|
研修会終了 普段の現場ではなかなか体系的に学ぶことができない、伝える技術と基礎教養をしっかりと学ぶことができた3日間だった。 事務局としては、これからの自然学校を引っ張る有望な若手職員が、この研修会で学んだことを現場で発揮してくれることに期待したい。 |