2010/10/18
環境公開講座初日は、芸能界きってのアウトドア派、清水国明さんが、
「自然の中でヒトになる」と題しまして、講演を行いました。
清水さんは、便利で快適な世の中で生活している、現代の子ども達に、人間として生きていくための、一番最低限のスイッチを入れることがミッションだということを、お話しくださいました。
自然から遠ざかり、人としてあってはならないような不自然な出来事が、日常茶飯事に起きている。暑くもない、寒くもない、虫もいない、痛くもない、臭くもない、便利で快適な環境は幸せかもしれないが、それは自然ではなく、不自然なこと。
子ども達に、人間として最低限の、生きていくための力を目覚めさせるためには、いろいろな大自然の刺激を入れさせることが必要であると説明し、大人達は、子ども達に自然の中で、元気にハツラツとしている背中を見せる義務があり、大人に向かって成長する力が、生きる力を育むということも、お話しいただきました。
2010/10/19
環境公開講座2日目は、日本の環境哲学の第一人者、加藤尚武さんが、
「環境倫理とは何か」と題しまして、講演を行いました。
加藤さんは、現代の我々の世代は、未来の世代に資源を残し、つないでいく責任があるということをお話しくださいました。
現代の世代が、未来の世代の資源を使い切ると、どのような影響があるのか?石油は使えば無くなる、生き物も乱獲すれば無くなる、ということを踏まえた、人間の生活設計が必要。
「例えば、今の私は借金だらけ、評判が悪く、誰もお金を貸してくれない。そのとき、私は未来の孫の名前を使って、銀行からお金をたくさん借りる。自分は楽をして、贅沢な生活をするけれども、将来の孫はどうなるのでしょう?」と参加者に問いかけ、環境倫理とは、人間だけではなく、全ての生き物に生存権を認めること、あらゆる生物が絶滅しないように、人間が、未来の世代が生きていくための責任を持つこと、有限な地球環境を守ること、ということをご説明いただきました。
2010/10/20
環境公開講座最終日は、医師であり登山家でもある、今井通子さんが、
「地球環境保全と健康」と題しまして講演を行い、森林の持つ重要な役割について、ご説明いただきました。
森林は、二酸化炭素の吸収、地球温暖化を防止、生物にとって有害な物質も吸収してくれる働きがあり、また、森林の中に行くことで、ストレスの解消、ガンなどの病気を予防する効果がある。森林保護は、地球環境を守り、人間の健康を守るという、2つの重要な意味があるということを、お話しいただきました。
また、講演前には、今井さんと参加者数名が、志賀高原の森で、森林セラピー体験をおこないました。最初に全員のストレス値を計り、森の中へ。地元のガイドさんの案内により、森の中を散策し、最後にもう一度、ストレス値を計測。参加者のほとんどのストレス値が、下がったことからも、森林の健康に対する効果というものを、実感することができました。